44.岳南鉄道の機関車たち
国鉄末期の貨物輸送方式改革以後、小口扱いは壊滅、多くの私鉄から貨物列車が消えていきました。そんな中でも、沿線にまとまった貨物輸送をする荷主がいた僅かな会社には辛うじて貨物輸送が残りました。岳南鉄道はそんな数少ない鉄道のひとつです。
それでも、最盛期に比べると輸送量も僅かになり、いつまで現状のまま推移するのかはわかりません。
今現在生き残っている4両の機関車は、いずれも長野県にゆかりの深いものばかり。以前から興味はあったものの、地理的にアプローチしづらいこともあり、今まで訪問する機会がありませんでした。去る1月5日、ようやく念願かなって(たった半日ですが)訪問することが出来ました。
ED29 1 昭和2年日本車両製、豊川鉄道デキ52。国鉄買収後、形式称号改正でED29に。昭和34年に譲受。一貫して飯田線で使用されていた。
現在は岳南富士岡に予備車として留置中。実質的には廃車か?
ED40 2 昭和40年日本車両製、松本電鉄ED402。梓川水系電源開発にともなう貨物輸送を目的に403とともに投入されたもの。一連の輸送終了後昭和46年、2両そろって譲受。
当鉄道の主力。
ED40 3 昭和41年製。ED40 2と同型車。
重連総括可能だが、使用されたことはない。
ED50 1 昭和3年川崎車両製、上田温泉電軌デロ301。大型機関車の必要はほとんどなかったようで、昭和15年に名古屋鉄道に譲渡、デキ501となる。昭和44年、昇圧の際に借入、翌年譲受。
専ら比奈での入換業務に使用されている。
入換作業開始。 比奈駅には大昭和製紙の引込み線があり、ED501による入換作業が行われる。貨車の突放もここでは見ることが出来る。 吉原からの貨物列車がED402の牽引で比奈に到着。ED501と顔を合わせます。 到着した貨物列車は直ぐに編成を分割して側線に留置。ED402も一旦側線に入り、午後のお勤めまで一休みとなります。
撮影はすべて2004年1月5日